佐倉〈ゆうゆうの里〉は、佐倉城下町の一角に位置しています。
その城下町の地形は、標高7mのJR佐倉駅と標高12mの京成佐倉駅に挟まれるように、長さ東西約4kmくらい、幅約400m~1kmくらい(私の感覚であって正確ではない)の部分が馬の背状に標高が高くなっています。
その西端には佐倉城の本丸跡(標高30m)があって、その東約2kmの地点に〈ゆうゆうの里〉(標高36m)が所在します。
(注)標高については、インターネットのグーグルアース調べによる。
このような地形ですので、大変坂が多く、私たちが駅周辺へ出掛けたときには、マイカーや送迎バス・タクシーを利用しない限り、帰路はきつい坂(私にとっては)を徒歩登板することになります。
ところで、その多い坂の内、13ヶ所の坂には、昔から次のとおり面白い名が付いています。
①ひよどり坂 ②へび坂 ③暗闇坂 ④猿が脇の坂 ⑤うるし坂 ⑥やかん坂 ⑦薬師坂 ⑧みそべやの坂 ⑨海隣時坂 ⑩愛宕坂 ⑪浅間坂 ⑫杉坂 ⑬七曲坂
私は時々カメラをぶら下げてこれらの坂を写真に収めてきましたが、その中で自然状態に近く、最も江戸時代を髣髴させてくれる私の大好きな坂が下図の「ひよどり坂」でした。
この写真は5年前の2007年に写したものです。
坂下から撮ったもので、写真だと立体感がないですが、登り坂の仰角は、目測10度くらいでしょうか。
坂を登りきる近くは15度くらいになります。
地元住民の方々が近道の抜け道用として今でも利用しています。
ところが、本年5月に写したものが次の写真です。僅か5年の間に、こんなにも手を加えられて変わってしまいました。上図と比較してご覧下さい。
江戸時代の情景がすっかり失われて残念の極みです。
道沿えの竹が刈り取られ竹垣まで造られました。
さらに、坂の踏み代土止めの木が、コンクリート製の模造土止めに変わっていました。
これが「へび坂」です。くねくねと曲がっていて「まむしに注意」の立て看板も立っています。
武家屋敷の脇の「暗闇坂」です。
急な下り坂(20度くらいか)で、コンクリートの土止めと舗装道路。
その他の坂や名の付いていない坂も含めて、現在は殆どが「暗闇坂」のように舗装され、生活道路になっています。せめて案内板を見て当時の様子を想像しながら坂めぐりをする他なくなったようです。
前述⑫⑬については、その存在場所すら確認できなくなっています。
(入居者 digital)
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